月別アーカイブ: 2013年11月

あるトップセールスマンの孤独


その男は38歳にして営業部長に昇進したトップセールスマンでした。
社長は、彼を溺愛していました。
数年後には、自分の跡を継いで社長になれと公言したほどです。
彼の部下は、約40名いました。その中に、いつもノルマが達成できない若い社員がいました。
社長は、その若い社員のことが嫌いでなりません。

ある日、朝礼で「数字を達成しない奴はクビだ!」と営業部の全員に向かって9月のノルマを掲げました。
それは、ほとんどの社員がクリアーできる数字でしたが、その若い社員にとってはかなり厳しいものでした。
明らかに1人をおとしめようとした数字でした。

営業部長は、社長に詰め寄りました。
彼の言うことだったらなんでも聞き入れる社長でも、今回だけは一切、聞く耳を持ちませんでした。

10月1日。彼は、社長室に足を運びました。
そして「1人だけ9月の数字を達成できなかった者がいます。いかがいたしましょうか」と社長に報告しました。
すると社長は「残念だが公約だからクビだな」と吐き捨てました。
「分かりました」と彼は白い封筒を社長の前に差し出しました。
「ん、なんだ?」と怪訝そうに社長が言うと「辞表です」と彼。

数字を達成できなかった1人とは彼だったのです。
数字を達成させるために1人の部下に付きっ切りだったのです。
困った顔の社長は「ちょっと待ってくれよ」と言いましたが、彼は「長い間、お世話になりました」と一礼をすると、社長室から去りました。
そして、二度と戻りませんでした。

今、営業部長だった彼とその部下であった若い男性は、一緒に会社を興し元気にやっているそうです。
いくら自分が愛されたところで、可愛い部下が足蹴にされれば空しいです。
それを社長に分かっていただきたいとの思いで、彼は、年収2千万円を捨てたのです。
その後、何度も社長から電話がありましたが、頑として聞き入れませんでした。
今までお世話になった社長を思ってこその行いだったのです。

自分だけ愛されればいいと思っている上司などいません。
あるトップセールスマンの孤独は、きっとどこにでもあります。


コア・コンピタンス【今月の教えてキーワード】


ゲイリー・ハメルとプラハラードの著書『コア・コンピタンス経営』によって広められた概念で、企業において核となる独自の強みのこと。
他社が真似できないような独自の技術やノウハウなど成功を生み出す能力であり、圧倒的な競争優位となる事業分野などをいう。
例えば、シャープの薄型ディスプレイ技術やホンダのエンジン技術などが挙げられる。
個々のスキルや技術などを意味するのではなく、それらを統合した企業力である。


休むときはきちんと休む


夏季や年末年始以外にも、年に何回か私用で休暇を取ることはありますよね。
このとき、お客様や取引先にはどのように伝えていますか?
携帯電話やメールでのやり取りが一般的になった今では、特に休みを取ることは伝えず休暇中であっても電話やメールに対応する方も多いのではないでしょうか。
仕事の状況によっては、常に自分が対応することが求められるときもあるでしょう。
しかし、緊急度や優先度の低い対応に追われ、せっかくの休暇なのに休んだ気がしなかったり、家族や恋人に不満を抱かせたことはありませんか?

今回は「休むときには休む」と関係者に伝え、きちんと休もうというご提案です。

実はこれ、自分のためだけでなく自社や取引先のためでもあるのです。
まず、留守を預かるスタッフに仕事を引き継ぐことで、業務の「見える化」を図ることができます。
自分の抱える業務内容を共有することは、業務の効率化につながるだけでなくスタッフの教育にもなります。
また、取引先に対しても、業務のことを熟知しているスタッフが複数いるというほうが安心感を与えるものです。
休暇中、不在着信があってから折り返し電話で対応するより、オフィスにいるスタッフが即座に対応したほうが相手のためともいえます。「絶対に自分にしかできないこと」を減らすことで新しい事業に挑戦する力も生まれます。


残業代が割増賃金になっていないのですが・・・


建設会社の事務職、38歳の女性です。子供が小学校に入り、念願の正社員として仕事に復帰しました。
給与に関する疑問です。
雇用契約では、1日の勤務時間は9時~17時で実働7時間。土日祝日が休日です。先月は30分の残業をした日が6日ありました。
ところが、給与明細を見ると残業した分の時間単価の割増がありませんでしたが、割増は必要ないのでしょうか?

家計を預かるお立場、ご自身の給与もしっかりチェックする視点は大切ですね。
ご質問の件、結論から申し上げると、会社側に割増計算をして支払う義務はありません。
ポイントは「所定労働時間」と「法定労働時間」です。
「所定労働時間」とは雇用契約で決めた労働時間で、今回の「1日実働7時間」になります。一方「法定労働時間」とは、労働基準法で定められた「1週間で40時間以内、1日8時間以内」という決まりです。
労働基準法では、「法定労働時間」を超えた場合に、時間単価に1.25を掛けた以上の金額を支払うよう定めています。
よって「所定労働時間」が「法定労働」よりも少ない今回のようなケースでは、たとえ残業をしても「時間単価の割増がない」残業代が支給されることになります。