月別アーカイブ: 2013年10月

最初の正面 ~それが、会社の素顔


半年ほど前、まだ若い男性が置き薬を持って私の事務所まで飛び込み営業にやって来ました。
暑い日でした。
額に汗を掻き、足元は白いスニーカーでした。おそらく新人研修です。

私は「うちは○○薬品さんをとってるから」と言い、申し訳ないからと冷たい缶ジュースを1本手渡しました。

先日、その男性がひょこっと現れました。
彼は、半年前のことが忘れられず、またやって来ました。
どこに行っても門前払いにされたそうです。
しかし、この会社の人は優しかった。とっても嬉しかったと言ってくれました。

私は、経営分析や企業診断等では表れることのないその会社の「素」を知る方法をふと考えました。
それは、その会社の社員が作り笑顔で接することのない相手に訊ねれば分かります。
その相手とは、宅急便の配達員です。
どんな会社にも宅急便の配達員は伺います。
すると、その会社の最初の社員と目が合います。
そこでその社員が、どんな態度を取るのかがすべてです。
いくら社長が立派な人でも、最初に出会った社員が無愛想だったらどうでしょうか。
きっと配達員は、悪い印象しか抱きません。
どれだけ分厚い経営計画書を作ったところで、なんの意味もありません。

私は、ちょっと前に、お昼時を狙って近くにある宅急便の営業所に向かいました。
そして、そこから出てきた優しそうな男性に声を掛けました。
「どんな会社が多いのですか?」そのようなことを私は訊ねました。
すると、その男性は、雪が降っている日に熱い缶コーヒーを差し出してくれた人、会うたびに笑顔で「ご苦労様です」と声を掛けてくれる人、階段で会ったとき一緒に荷物を運んでくれた人のことをどれも嬉しそうな顔で話してくれました。
だから、それが、その会社の本当の素顔だと私は思います。
利益をもたらす人に笑顔を見せることなど中学生でもやります。

まったくの利害関係ではない人に見せる態度が、本当の姿なのです。
悪い印象は噂となって広がりますが、いい印象はいつまでもその人の心の中にズッと残るものです。
最初の正面が、その会社の素顔だと私は思います。


遅刻3回で1日欠勤にしもいいのでしょうか?


輸入食器の小売店に人事担当として転職しました。
給与業務を引き継いだのですが、疑問に思う社内のルールがあります。
それは、たとえ1分でも遅刻を3回すると、1日欠勤したものとみなし、その分の金額を基本給から差し引いていることです。
前任者に尋ねると、社内規定としては決まっていないが社長の指示とのこと。
オーナー企業で「社長がルールブック」という体質ではあるのですが、法律違反ではないでしょうか?

今回のケースでは、法令違反の可能性がありそうです。
労働基準法には「賃金全額払いの原則」というものがあり、働かなかった時間の給与を支払う必要はありませんが、それを超える時間分まで欠勤控除をすることはできません。
遅刻した時間の合計時間が8時間未満なのに、8時間分の基本給を減額すればそれは控除ではなく「懲戒(ペナルティー)処分」です。
ちなみに、就業規則で「遅刻を3回した場合は給与1日分を減額する」と決めることは有効ですが、この場合でも運用には注意が必要です。
懲戒としての減給の上限額を定めていること、上司の指導や始末書の提出、訓戒などを経て減給するというような懲戒の運用ルールに則って厳格に行うべき事項です。


コマーシャルペーパー(CP)【今月の教えてキーワード】


企業が短期で資金を調達するための無担保の約束手形。
CPは、企業の信用力のみで資金を調達することから優良企業でないと発行できない。
資金調達という点では社債とその性格は同じであるが、償還期間が通常1年以上で有価証券として規定される社債に対して、CPの償還期間は通常1年未満で30日以内のものが多い。
また、有価証券ではなく手形なので、社債が証券会社で扱われるのに対して、CPは銀行等でも取り扱われる。


ちょっと想像力を働かせてビジネスをスムーズに!


突然ですが問題です。「ABC商事、山口様でございますね。お電話番号は000-111-2222でいらっしゃいますね」。
この応対には誤りが2つあります。
すぐにおわかりでしたか?
答は、「ございます」と「いらっしゃいます」が逆です。
「いらっしゃる」は相手(人)を敬う尊敬語です。
また、「ございます」は丁寧語ですから、人に対して使うのは適切とはいえません。
ここまで読んで、「そんな細かいことどうでもいいよ」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

確かにそうかもしれません。
しかし、ビジネスには常に「相手」がいます。
自分にはどうでもいいことが、相手にとっては大切、時に不愉快、ということもあるものです。
例えば、新卒の新入社員が出社した際に、その服装や髪型を注意したことはありませんか?
髪の毛の色合いや長さ、マニキュアの色。そしてそれを注意した新入社員に「何がいけないんですか?」と返されたことはありませんか?確かに今どきの若者の尺度で捉えれば普通の髪型であり服装であっても、こと仕事の場では不適切ということ。問題はそこに思いが至るかです。何気ない自分の振る舞いや言動を相手がどう思うか。自分はいいと思っても不快に感じる人がいるかもしれない。そんな想像力を少し働かせることでビジネスはスムーズに運んだり、小さなトラブルを回避できるものではないでしょうか。