月別アーカイブ: 2013年8月

プロとベテランの大いなる違い


その会社は、欄間(らんま)などの建具を作るとっても小さな会社です。
その会社の社員の中に「この道40年」の頑固な職人がいます。
私は、仕上がったばかりの美しい欄間を目の当たりにして、思わず「プロですね、匠の技ですね」と漏らしました。
すると「いえ、ベテランですよ」と隣にいた社長が私に言いました。
社長は「うちにはプロは要りませんよ」と言うと、「必要なのはベテランだけですね」とニコッと笑いました。

そこで私は、プロとベテランの明確な違いを社長に訊ねました。
すると社長は、次のように言いました。

例えば、ある人が病院へ健康診断に行ったとします。
その人は「安心したい」から嫌々ながら行くわけです。
間違っても異物を見つけて欲しいわけではありません。
しかし、病院の先生方は一生懸命に探し出します。
異物をね。それがプロです。
とにかく血眼になって探し出します。
ところがベテランの先生と言えば、懸命に探しはするものの、その人が「安心したい」ということを十分に理解しています。
プロとベテランのその違いは、たったそれだけです。

やっている内容はまったく同じなのに、相手への気配りがあるかどうかです。
技術的な腕などほとんど変わりません。

つまりプロになるだけなら腕さえあれば、たった1年でもなれます。
でも、ベテランになるには少なくともそれまで生きてきた年数分は必要となります。
キレイに切るだけなら魚を三枚におろすのも盲腸を切るのも同じです。
腕がいいだけの職人なら、日本中にたくさんいます。

私は、深くうなずきました。

自分のことをプロと誇らしげに言う人はいますが、自分のことをベテランと呼ぶ人は少ないです。
もっと言ってしまえば、ベテランはいい腕などなくても構いません。
そこら中に散らばっているプロを上手に使えばいいわけだから。
お客さんは、決していい腕に集まるわけではなくて、そこにある目に見えない「安心」に集まるだけです。
きっと最初はいい腕に集まると思いますが、それだけだったらすぐに去って行くはずです。
プロと呼ばれる人は、上手に使われる一流の職人です。
そして、ベテランとはプロを巧みに操る一流の人間なのです。


サブプライムローン【今月の教えてキーワード】


所得の低い人やクレジットカードで返済の延滞を繰り返す人など信用力の低い個人を対象とした住宅ローン。
通常融資より金利が高い分、審査基準は甘く、最初の2年ほどは低金利だが、それ以降に大幅に金利が上がる仕組みの商品が多い。
そのため利用者は、購入した住宅の価格が値上がりした時点で、その住宅を担保に新たにローンを借り増ししたり、信用力が高い「プライムローン」に借り換えて金利負担を軽減しようと計画した。


兼業のパート従業員の雇用保険はどうなるの?


健康食品の通販会社で人事管理を担当しています。
当社のコールセンターでは、シフト制で多数のパート従業員が稼働しており、兼業も可としています。
この度新規に採用したパート従業員も、当社と別の会社との兼業で、もう1つの会社で既に雇用保険に加入していました。
当社での労働時間は、週3日で21時間です。
この場合、当社での雇用保険加入手続は必要なのでしょうか?

今回のケースでは、当面は貴社での雇用保険加入手続は不要です。
雇用保険では、「主に賃金を受ける1つの会社で雇用保険に加入する」と決められており、重複加入は認められません。
ですので、ご質問のパート従業員の方は、貴社での労働時間が多くない限り貴社で加入する必要はありません。
ただし、その方が別の会社を退職した場合は、貴社での加入手続が必要です。
パート従業員の場合、雇用保険への加入条件は、
(1)31日以上継続して雇用が見込まれること
(2)1週間の所定労働時間が20時間以上であること
となっています。

ご質問のパート従業員の方が一方の会社を退職した際は、雇用保険被保険者証も提出してもらい、雇用保険加入手続を行います。


信頼&効率アップの名刺術


現在あなたのオフィスには何名のスタッフがいますか?
そのうち名刺を持っているスタッフは何人でしょうか?
個々の名刺のデザインや活用法については、書店などに役立つ本がたくさんありますが、今回のテーマは「組織として名刺をどう活用するか」というお話です。

お勧めは「全員」が名刺を持つこと。
アルバイトやパート、できれば派遣スタッフも含めて全員です。
小さな会社では、社内にいても取引先とのやり取りは多いものです。 その際、先方が名刺を出したときに、こちらの担当者に名刺がないのでは何とも間が悪いですし、連絡先の交換という本来の役割にも支障をきたします。
また、お客様には「私が外回りで不在の折には、社内の担当者にお申し付けください」と、社内スタッフの名刺をお渡ししておくのです。

もちろん、そのお客様担当の社内スタッフをきちんと決めておき、情報を共有しておくことが前提です。
携帯電話やメールが一般化した今だからこそ、お客様からの電話は大事にしましょう。
営業担当が不在でも社内で状況を把握し、対応してもらえる担当者がいるというのはお客様の安心と信頼を生みます。

そして社内スタッフも名刺を持ち「担当者」になることで、当事者意識が高まります。 このような名刺の有効活用で、お客様やスタッフを大切にする企業になるというのはいかがでしょうか。


第三セクター(三セク)【今月の教えてキーワード】


国や地方自治体と民間企業が共同で出資して設立した法人。公企業を第一セクター、私企業を第二セクターとし、それらとは異なる第三の方式による法人という意味からこう呼ばれる。

その形態はさまざまだが、表面上は私企業として設立され、その資本のほとんどを地方公共団体などが出資するケースが目立つ。

つまり「株式会社≠第三セクター」という訳ではない。

また、事業の見通しの甘さなどから経営が悪化しているものも多い。


「先を見せる」ことで信頼感を得る


どれだけ慎重に心を尽くして仕事をしていても、避けられないのがミスやトラブルです。

しかも、直接の担当者でないと解決できないのに、その相手とうまく連絡が取れないといった経験、誰にでもありますよね。
電話やメールの向こうから伝わるお客様の怒りや不満。なかなかつかまらない担当者。

そんなときあなたはどんなことを意識してお客様と接していますか?

トラブル対応で大切なのは、お詫びよりもまずは今起きているお客様の不便に共感し、不具合を取り除くことだというのはよくご存知のことと思います。
その際、「時間」と「過程」を示すことも大切なポイントです。
これでお客様は多少なりとも安心し、怒りの火に油を注ぐような事態を未然に防げるのです。

具体的には、自分が対応できることと本来の担当者にしか対応できないこと、その大まかな内容、所要時間を伝えること。
また、たとえ担当者がつかまらなくとも、何分後かに進捗を報告する旨をお伝えし、必ずその時間に連絡を入れる。

こうしてお客様に「今どうなっているか」「この先どうなるか」をお見せすることで、お客様もある程度安心し冷静さを取り戻せます。
最もよくないのは、やみくもに謝り続けることです。
お詫びは事態が収束し、原因をしっかり見極めてから。
今後の対応策を添えてお詫びすることで、結果的に信頼感を得ることにつながります。


私たちの人生は、私たちが費やした努力だけの価値はある -フランソワ・モーリアック


私たちの人生は、私たちが費やした努力だけの価値はある

フランスのノーベル賞作家であるフランソワ・モーリアックの言葉。努力をすれば報われるとは限らないが、成功した人は、すべからく努力をしているものである。


社員が自慢したくなる会社


「今までもらったすごいプレゼントは、島、クルーザー、ビル、あとは油田」こんな話をさらっとしても許されるのはハリウッドのセレブくらいです。

自慢話をする人は基本的に嫌われます。
しかし例外もあります。

昨年の11月に創立70周年を迎えたその会社は、50人の社員全員にある記念品を渡しました。
あなたが社長ならどんな記念品にするでしょうか(ちなみに会社はちょっと儲かっています)。
ネットで「創立記念品」を検索すると、会社のロゴや「創立○周年」の文字が入った腕時計や置き時計、万年筆、クリスタルの盾など、どちらかと言えば会社側の満足を形にした品々がずらりとヒットしました。

さて、問題の会社が記念品に選んだのは、ドンペリ(ドン・ペリニヨン)でした。

社員50人に1本ずつ記念品としてドンペリを配り、社長は言ったそうです。

「これからクリスマスがあります。ちょっとした記念日でもかまいません。
大事な人とこのドンペリで乾杯してください」。

高級なお酒はいくらでもありますが、あえて通俗的なドンペリという選択に社長の粋を感じます。

お酒を飲まない人でもドンペリが高いことは知っているでしょう。

お酒好きでもサラリーマンは日常的にドンペリなど飲みません。
誰でも知っているけれど自分では買わない高級品。

しかも飲んだら終わりです。

記念品を見た社員たちは、「スゲー、あのドンペリだよ」とどよめいたそうです。
社長は最後に、「これを飲むとき、ちょっとだけわたしのことを思い出してくれると嬉しいです」と、あいさつを締めくくりました。天才的なセンスです。

その会社の社員が自慢げにこの話をしてくれたそうです。

「うちっていい会社だと思わない?」。

その場にいた人たちは口々に「俺もそこで働いてみたい!」と心底うらやんだそうです。
社長は、ドンペリと一緒に自分の会社を誇りに思う気持ちを贈ったのだと思います。

ドンペリ50本でいくらだったのかは知りませんが、その金額以上のものを社員は返してくれるでしょう。


「整理解雇」について教えてください


製造業の経営者です。昨年来業績が急激に悪化しています。
経費削減や新規開拓に全力を尽くしていますが厳しい状況です。
このままだと現在15名いる従業員の人件費にメスを入れることも視野に入れざるをえません。
避けたい事態ではありますが、「整理解雇」について条件や注意点などを教えてください。

解雇は従業員の生活に重大な影響を及ぼします。
そのため労働基準法や労働契約法には解雇制限や解雇予告の規定があり、事業主の権利の濫用を防止し、労働者の生活保護のための手順が定められています。
解雇の有効性については民法が基礎になり、
整理解雇の場合、

(1)解雇が必要なほど経営が悪化しているか
(2)解雇を回避するための経営努力は十分だったか
(3)解雇の対象者を選ぶ基準は妥当か
(4)解雇に至る経緯と必要性を従業員に十分説明し協議を尽くしたか

以上4つの要件が判定の基準となります。
これに加えて経営者が考慮すべきことは、解雇の対象にならない従業員の士気の低下です。
法律に則った解雇手順の履行も大事ですが、実施後の社内に活力が保てなければ新たな問題の発生原因にもなります。実施に際しては専門家に相談することをお勧めします。